「あの人だけずるい」と思うのは当たり前

「あの人だけずるい」…あなたはそんな気持ちによくなるタイプでしょうか?

なぜそんな気持ちになるかというと、ズバリ「世の中は不平等だから」です。

同じ日本人ですら、裕福な家に生まれる子もいれば、ド貧乏な家に生まれる子もいます。健康に生まれてくる子もいれば、先天的な障害を持って生まれてくる子もいます。100歳近いお年寄りに兄弟について聞くと、生まれて数時間で死んだ兄弟がいるという人もいます。同じ両親から生まれているのに、です。

なので、もしあなたが世の中は平等だと本気で信じているのなら、大人にしてはちょっと純粋すぎるかもです(笑)。

「世の中不平等?そんなことはわかっているよ」という人でも、職場や学校で「あの人だけずるい、気に食わない」という気持ちで陰口をたたいたり、嫌がらせをしたりしているのなら、本質的には理解できていないのではないでしょうか。結局人間は、理解できていないことを行動に落とし込むことはできませんので。

嫉妬と劣等感

ですが、そんな不平等な世の中に生きていても、他人に嫉妬しない人たちはいます。しかも彼らの全員が何もかもに恵まれた人でもありません。

つまり外的要因(貧富、美醜、障害や才能の有無など)は彼らには影響していないのです。それは内的要因がクリアされているからです。内的要因というのは心の持ちようや考え方です。

嫉妬というのは主に劣等感や「自分は報われていない」という思いから発生します。

美人のクラスメイトを虐める子は、おそらく彼女の中に「許せない。私だってあんな美人に生まれたかったのに」=つまり「自分は美人でない」という劣等感があるでしょう。

上司に可愛がられている優秀な同僚の粗探しをしたり、批判したりする人は、「私だって頑張っているのに。あの人ばかり認められて許せない」という思いがあったりします。この報われていないという思いは掘り下げていくとやはり劣等感や自己肯定感不足にたどり着きます。

つまり自分を自分で認めていないということです。心の奥底では、自分のことをかわいそうだと思っています。

もし他人に嫉妬を感じたら、

  • 「すごい美人ではないけど、私なりのチャームポイントがある」
  • 「彼ほどの才能はないかもしれないけど、私はこの仕事をやり切る能力があるし、自信もある」

というふうに、ダメだと思っている部分を肯定してみます。すると、いちいち人と比較しなくてもいいことに気づきます。

ところが劣等感が大きい人は、基本的に「自他を比較する世界」に生きているので、これができません。

人間だれしも、自分よりすごい人に会えば「うわあ、いいな。羨ましいな」と一瞬思います。ただ、その「羨ましいな」をどう自分の中で処理するのか?でその後が分かれます。

「正直羨ましいけど、まあ自分は自分でいいとこあるし。ひとそれぞれ」と考えられる人は、比較の世界に生きていません。

「すごいな、羨ましいな。よし、自分も頑張るぞ!」と考えられる人は、比較してはいるけれど、それをポジティブなバネに変えているのでほぼ影響を受けることがありません。
あるいは、スポーツ選手のように常に勝負(=比較)の世界にいる人たちは、ライバルを羨ましいと思った瞬間に、「絶対に追い抜いてやる!」と自分を奮起させていると思います。

「だから何なの?あんなのたいしたことないし。だいたい、あいつ〇〇(関係のないネガティブワード)のくせに」と考える人は、「羨ましい」という自分の気持ちにすら気づいていません。劣等感を感じたくないからです。

もっと悪い場合は、マウンティングやハラスメントという行動に出ることがあります。相手より自分のほうが上だと示したいからです。

ただし、そういう行動は同じ劣等感を持っている人同士でしか共感されません。状況を俯瞰している人たちからは、「気持ちはわからなくもないが哀れな人だな」と思われている可能性があります。
これが職場であれば当然、「あまり信用できない人だな」「ついていきたくない上司だな」などと思われるでしょう。

ちなみに同じ劣等感を持っている人同士のグループというのは、そこから抜けだそうとしたときに当然嫉妬されて足を引っ張られるので厄介です。
職場のランチやアフターファイブにいつも誰かの悪口を言い合ってすっきり、みたいなグループは、結局泥沼にハマっているのと同じなのです。

もし今、あなたがそういうグループにいるのなら、徐々に距離をとったほうが身のためでしょう。スピリチュアル的に見ても、かなり低い波動の中にいるということになります。

嫉妬を克服する方法

ではどうすればいいかというと、

  • 嫉妬している自分を受け入れる
  • 嫉妬心を他人に向けず、自己向上に活用する

です。

スポーツの世界ではあいつを超えてやる!みたいなライバル心が強くなれる秘訣だったりします。

嫉妬そのものが悪いわけではないのです。自分の嫉妬心に目を瞑り、それを相手にぶつける理不尽な行動が問題なのです。

「ああ、そうか。自分は彼が羨ましいんだな」とまずは認めることでおそらく楽になるはずです。

そこから、なぜ彼があれほどすごいのかを観察・分析して、いいところを真似てみたり、逆張りで自分のほうが得意なところを伸ばしたりすればいいだけ。そうやって自信がつくと、他人に嫉妬する必要もなくなります。

ただ、マウンティングやハラスメントを行う人というのは、ほとんどの場合、自分の劣等感や暗い感情に気づかず無意識にやっていることが多いように思います。わかってやっているなら、そいつはある意味サイコ野郎です(笑)。

でもそこに気づけない人はずっとそのまま嫉妬しまくって他人を攻撃し、人間関係をこわした結果「自分は認めてもらえない」という現実を作り続けます。

そして皮肉なことに、第三者から見れば、その人が何に怯え、劣等感を隠し持っているのかが結構明らかだったりします。ある意味、他人に対する攻撃というのは、それくらい恥をさらしているということでもありますね(´・ω・`)

時々、店員さんやウェイターさんを理不尽に怒鳴ったり、ネチネチいじめたりする人を見かけますが、「…ああ、あの人って…(遠い目)」と思いますからね。ああいう人の心の奥底では、

「私はこんなにかわいそうなんだから、お前は私の言うことをきくべきだ(思い通りになるべきだ)」

なんですよ。ご本人の自覚はないでしょうが。

ですので、第一歩としては、自分の嫉妬心を受け入れるということにつきます。それができれば、相手の優れた点が、自分の劣った点とは何らかかわりがないことがわかるはずなので、相手を攻撃する必要もないことが理解できます。

例えば、彼女が美人であるということと、自分が美人でないこととは何の因縁もなく、自分が勝手に卑屈になっているだけだということに気づければよいのです。

心理学的な話をしましたが、スピリチュアルが好きな方には、これは引き寄せの法則にもそのまま当てはまることに気づかれたのではないかと思います。

「自分は認められる人間ではない」という劣等感が潜在意識の中にあると、それが「自分が認められることのない現実」を作りだしてしまうというわけです。

なので、嫉妬心あるいは劣等感を受け入れた上でポジティブなエネルギーに転化していくと、望ましい現実がやってくると思います。

なお、冒頭でこの世は不平等だといいましたが、もし平等なものがあるとしたら、それは魂であると私は考えています。この考えも人それぞれですけど。

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